新築一戸建て分譲住宅の販売平均価格

新築一戸建て分譲住宅の平均価格は全国平均で3370万円です。前年同月比+54万円(+1.6%)で2年前同月比では+107万円(+3.3%)と上げています。

販売戸数上位15県において最も価格を上げているのが兵庫県で2021年3月が3598万円で前年同月比は+258万円(+7.7%)で2年前同月比で+353万円(+10.9%)も上げています。次いで栃木県で2021年3月が2633万円ですが前年同月比+186万円(+7.3%)で2年前同月比で+281万円(+11.9%)も上げています。

いずれも大都市の近くで工場需要や郊外住宅需要があり、大都市へ直通する鉄道があるのですが、大都市よりも価格が安いために「大都市需要郊外化」の波の影響と言えます。

逆に全国最高価格の東京都の平均価格は2021年3月で4940万円で前年同月比+76万円(+1.5%)で2年前同月比+171万円(+3.6%)とさほど上げていません。

しかし都心10区でみると2021年3月が7592万円で前年同月比▼582万円(▼7.1%)も下げています。土地が63㎡で前年同月比▼11.3%小さくなり、建物も95㎡で前年同月比▼2.1%小さくなっています。つまり土地・建物を小さくして価格も抑えているということです。どうしても8000万円を超えると、年収7倍購入の年収が1143万円必要ということになります。

東京都で年収1000万円以上の世帯は43万世帯で東京都460万世帯の9%にすぎません。さらに年収1000万円以上世帯は年齢45歳以上が32万世帯と74%も占めています。

新築一戸建て分譲は住宅一次取得世代が多くて30歳台が7割をしめるのですが、東京都の年収1000万以上世帯は年齢がやや高いために、需要としてズレてしまっています。そのため販売戸数も減ってきています。

同じことが兵庫県でも言えます。販売平均価格が3598万ですが、兵庫県の平均年収は484万円で年収7倍とすると価格は3388万円となり、現在の価格は+210万もオーバーしています。

給与が上がらない状態の中で新築一戸建て分譲住宅の価格が上げていくと、価格面での需要供給ギャップが拡大していきます。第一段階では土地・建物を小さくして対応し、第二段階では立地を郊外化して対応するのですが、現在は第二段階と言えます。

ここから更に価格差が開くと住宅ローンが組めなくなり需要が消失することになります。すると供給過剰となり、値引きによる処分で利益がなくなり、次の用地購入がなくなり、着工が減っていきます。

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